1 はじめに

 昨今、インターネットの爆発的な普及により、インターネットに直接・間接に関わる事件(以下「ネットの事件」といいます。)が続発しております。そのため,お困りの方も多いのではないでしょうか。

 しかしながら,このネットの事件は,ある程度のコンピュータやインターネットの知識が必要ですから,なかなか詳しい専門家がいないのが現状です。

 例えば,上記では,ネットの事件と一括りにしてしまいましたが,その実は,大きく3つのタイプに分かれるのではないかと思います。

 まず1つ目が,ネットでの権利侵害系の事件です。普通ネットの事件と言うとこれを指すのかもしれません。つぎに2つ目が,ハッキング等の不正アクセス系の事件です。最後に,3つ目が,これらに関連するシステム紛争系の事件です。このようにネットの事件も色々な類型がありますので,各類型に合せて適切に処理する必要があるのです。

 では,それぞれの概要と対処法を見てみましょう。

2 概要と対処法

(1) ネットでの権利侵害

 現状最も事件数の多いのがこのタイプでしょう。典型的なものは,匿名掲示板に誹謗中傷やプライバシー侵害(個人情報漏洩)の書き込みをされたような場合です。

  従前は,このような場合,刑事事件化し,警察等の捜査に頼るしかありませんでした。しかしながら,刑事事件化できるのは,誹謗中傷(名誉毀損)だけで,プライバシー侵害には対応できませんでした。また,名誉毀損と言っても警察が捜査するのは,かなり程度の酷いものに限られておりました。ですので,それ以外のものは放っておくしかなかったのです。

 ところが,プロバイダ責任制限法が2002年に施行され,各種権利侵害をされた被害者は,インターネットのプロバイダ等に書き込みをした発信者の情報を開示請求できるようになり,事態はある程度好転しました。

 そして,この「権利」ですが,名誉権・プライバシー権は当然として,著作権や商標権などの知的財産権も含まれます。ですので,誹謗中傷以外の,文書ファイル・電子データ・音楽ファイル等の盗作,海賊版等の違法アップロードにも対応できます。

  しかし,発信者情報は常に開示されるわけではありません。誹謗中傷等も常に削除できるわけではありません。特にやり方を間違えると,「炎上」「祭り」等の二次被害を生じさせかねません。ですので,当事務所では,様々なメリット・デメリットをお客様と一緒に冷静に検討し,対処していくことにしております。

 勿論,プロバイダ責任制限法の枠組みではなく,刑事事件化できるものについては,そのような対処も可能です。

 なお,被害者の方だけでなく,加害者の方(書き込んでしまったがどうすればいい,プロバイダから発信者情報を開示するとの連絡があり困っている,裁判所から損害賠償の訴状が届いた等)からのご相談も承ります。お気軽にご連絡ください。

(2) 不正アクセス 

 上記(1)のネットでの権利侵害の場合,当事者は一般個人の方が殆どだと思います。他方,この不正アクセス関係は,会社等の事業者の方が殆どだと思います。

 というのは,不正アクセスは,利得(主として,お金)目当てで行うことが殆どだからです。

  従前この不正アクセスを取り締まるのは難しいものがありました。というのは,上記のとおり,ハッカーにとって,不正アクセス自体は手段に過ぎず,お金や機 密情報を得ることが目的ですので,お金や機密情報を得た場合,刑法等で罰しえても,その段階に至らない単なる不正アクセスのみを処罰できる法律がなかったからです。

 ところが,不正アクセス禁止法が2000年に施行され,ハッカーによる不正アクセス自体を取り締まることができるようになりました。さらに,2013年に,不正アクセス禁止法が改正され,フィッシングサイトを構築するなどのフィッシング行為自体も取り締まることができるようになりました。

 ただ,上記は,主として刑事事件の話ですので,不正アクセスによって損害を被った場合は,ハッカー相手に,別途民事の損害賠償請求をしなければなりません。

 当事務所では,不正アクセスをされた場合の,捜査機関への告訴状・被害届の提出から,ハッカー判明後の損害賠償請求まで,お客様と一緒に検討しながら,最も効果的な対処法を構築することにしております。

(3)システム紛争

 システム紛争自体は,直接インターネットとは関連しない場合もあります。例えば,企業内部の経理管理,人事管理,生産管理等のシステムにおける不具合が起こった場合,インターネットとは何ら関係ありません。

 しかしながら,現在各種システムでクラウド化が進み,最終的なアプリケーションソフトをウェブ上で実行する場合が多く,そうすると,ネット上での様々なトラブルと無関係ではいられません。

  例えば,上記(2)のように,ネット上での不正アクセスがあったとしましょう。その場合,ユーザーとしては,そのハッカーを追及することは勿論ですが,そ のようなハッカーに侵入されやすい,いわゆる脆弱性のあるシステムを構築したことについて,ベンダーに何らかの責任を追及したくなるのが人情です。

 他方,ベンダーとしては,ユーザーの出した要件定義に忠実にシステムを構築し,しかもシステム自体は何らの瑕疵なくスムーズに稼働できていたわけですから,こちらに責任を転嫁されても困るということになります。

 このように,システムのクラウド化が進んだことにより,新しいタイプのシステム紛争が起こる可能性が高まっていると言っても過言ではありません。

 当事務所では,ネットに関わる新しいタイプのシステム紛争についても,様々な手段を検討しつつ,多面的な処理を提案することにしています。

3 当事務所の弁護士

 当事務所の弁護士は,理系の大学の出身でエンジニアの経験もある理系弁護士です。ネット事件相談の段階から,具体的な発信者情報開示,損害賠償請求,告訴・被害届等の対応,その他のネット事件全般についてお任せください。 

 また,いわゆるIT系の企業の皆様には、事件に至らない段階からの幅広いご相談を承っております。法律相談についてお気軽にお問い合わせください。

 なお,料金についてですが,類型によってかなりバラツキがあります。遠慮無くご相談ください。