1 企業の事業再生・倒産処理

 現在,中小企業円滑化法により,企業の倒産件数は多いものではありません。

 しかし,同法は,2013年3月末で終了しますので,その後資金繰りに窮する企業が多くなると予想されます。

 ですので,資金繰りに困難性を感じたら,早めに相談することが肝要です。

 さて,企業の倒産処理は、清算型(店じまい)か再生型(事業継続)かという観点、また債務者(倒産する会社)に財産等の管理処分権が残るか残らないかという観点から、大きく4つに分かれます。

(1) 破産

 清算型で、債務者に管理処分権が残らない処理です。会社に属するすべてのプラスの資産(不動産、売掛金、機械など)をお金に換え、債権者に平等に配分することになります。倒産処理の原則的処理と言ってよいでしょう。

 通常、中小零細企業の場合、代表者が会社の債務の連帯保証人になっていることが多いでしょうから、代表者も同時に破産の申立をしていただくことが多いと思います(そうしないと、会社の債権者から取立てられます。)。

 倒産処理においては、最も多い処理だと思います。したがい、破産の申立てをしたからと言って、深く気に病む必要はありません。法的手続は,専門家に任せて,新たな事業に向けて再出発しましょう。所詮は金の話です。失敗は成功のもと!また再挑戦すればいいだけです。

(2) 民事再生

 再生型で、債務者に管理処分権が残る処理です。破産して債権者に分配するよりも、会社を継続させて若干でも多くの弁済ができる見込みがある場合に適しています。儲けている事業とどうしようもない赤字の事業の両方があって、銀行が助けてくれない場合などに適しています。

 しかしながら、儲けている事業があっても、昨今の経済状況では、それだけでは、資金ショートする可能性があります。その場合は、スポンサーを見つけてくる必要があるでしょう。残念ながら、スポンサーなくして、民事再生がうまくいく可能性は極めて低いのが現実です。

(3) 会社更生

  再生型で、原則として債務者に管理処分権が残らない処理です。JAL等の事件で明らかなように、大企業の倒産処理を念頭においたものです。近時,DIP型といい,債務者に管理処分権を残す処理が主流になってきておりますが,手続の透明性等に鑑みると,非常に問題の多いものだと考えております。

(4) 特別清算

 清算型で、債務者に管理処分権が残る処理です。会社法の規定によるものですから、その前提として、株主総会の特別決議が必要です。ですから、特別決議の得やすい、同族会社や子会社の清算などに適したものです。

(5) 任意整理

 会社の倒産処理においても、任意整理はありえるところです。例えば,私的整理ガイドラインによるもの,中小企業再生支援協議会によるもの,それらを全く使わないもの等です。

  しかし、これらの任意整理は、債権者との間で個別の和解(リスケなど)や事業計画を設定して弁済していくものですから、法的手続に比べて透明性が低いものです。そのため,債権者の数が少なく(取引銀行のみが債権者など),債権額もそう多くない場合に,適しているものです。また,事業が既に破綻している場合には,適用することはできません。

 ですので,任意整理をして,事業を再生したい場合,資金繰りに困難性を感じるなど,早い段階でのご相談が肝腎です。

2 個人の倒産処理

  個人の倒産処理(債務整理)としては、破産か民事再生か任意整理しかありません。

(1) 破産

 清算型で、債務者に管理処分権が残らない処理です。

  個人においても、倒産処理の原則的処理と考えます。手持ちのプラスの資産(家、その敷地など)をすべて換金し、債権者に平等に分配するのが原則です。

 ただし、破産者の経済生活の再生の機会の確保という観点もありますので、一定の財産については換金され分配されることはありません(自由財産といいます。)。 また、換金するような資産が全くない場合には、破産の手続自体が終了します(これが同時廃止です。)。

 個人の破産の場合の主目的は、免責を得ることにあると思いますから、これを得る必要がある場合には、破産しか手段がないことにもなります。

(2) 民事再生

 再生型で、債務者に管理処分権が残る処理です。破産して債権者に分配するよりも、何とか若干でも多くの弁済ができる見込みがある場合に適しています。

 個人においても、破産した場合以上の弁済を行えることが前提です。したがって、個人においては、住宅ローンだけはなんとか払って持ち家を手放したくない場合、結局この場合のみに限られてくるのだと思います。

(3) 任意整理

  法的手続きではなく,債権者各社と交渉をして,減額やリスケ等を要請し,その結果圧縮した残債務について,分割払いをしていくという手続きです。持ち家等の有無に関わらず、 債権額が低い場合には有効です。その目安としては、月々の支払可能額に36をかけたものが、債権額より高いかどうかです。要は、3年で支払い終わることができるかどうかということになります。

(4) 過払い金

 上述の手続きの途中で,利息制限法以上の金利を弁済していたことがわかる場合もあります。このような場合,債権者がこの金利をもらったままでいられる根拠がありませんから,これがいわゆる過払い金となりえます。

 しかし,利息制限法を上回る金利を相当の長期に渡って払っていた場合など,かなり限られた場合のみですので,あまり期待されない方が良いと思います。

3 当事務所の弁護士

 ともかくも,倒産処理は,最終的にお金の問題だけですので,法的処理をすれば必ず何とかなります。深刻に思い詰める必要や後ろめたく感じる必要の全くないものです。

 当事務所の弁護士は、法人の破産・民事再生の処理を得意としております。法律相談についてお気軽にお問い合わせください。

 また、当事務所の弁護士だけでは不十分と思われる場合には、豊富なネットワークを使い、適切な専門家の紹介・共同受任等もすることが可能です。なお、それぞれの料金につきましては、こちらをご覧ください。